
という疑問を持って、経営分析をやろうともしない社長がいます。
一方で、当たり前のように取締役会で経営分析のデータを使って議論している会社もあります。
どちらがよいのでしょうか。
ハッキリ言いましょう。
もちろん、経営分析をするだけは儲かりません。
ただ、分析したデータをうまく使えば、絶対に今よりも儲かることができます。

つまり、経営分析を使わない社長は、真剣に自分の会社の状態に目を向けようとしていないのです。
では、本当に経営分析で、自分の会社の現状を正確に知ることができるのでしょうか。
当然できます。

しゃべる言葉は、消えてしまいます。
数字は消えません。
また、文章では、書く人の主観によって内容が変わってしまいます。
数字は誰でも、何回でも同じ答えになるのです。
さらに、文章は時間をかけて読んでも、人によって理解度が違います。
数字は一瞬で、誰でも同じように理解することができるのです。
例えば、ここに損益計算書があったとします。
損益計算書は作り方が法律で決まっています。
作る人によって利益が変わってしまうはずがありません。
そして、これを完璧に作れば、誰でも会社の売上から経費まで、すぐに理解できます。
もし、損益計算書を数字は使わずに、文章で説明しようとすれば、一気に難しくなります。
しかも、数字にしたことで、同業種の会社と比べて分析することもできます。
将来の目標を数字で作ることもできます。
つまり、会社の現状を数字に置き換えることで、
すべての人が事実をハッキリと受け入れて、未来を考えることができるのです。


ただ、経営分析といっても、あまりに範囲が広くてバクゼンとしています。
すべての経営分析をやろうとすれば、何百万円というホストコンピュータを買い、
何人もの社員の時間が拘束されてしまいます。先ほどの損益計算書であっても、
作成するためには会計事務所の顧問料と経理の人件費がかかるのです。
その結果から受け取るメリットよりも費用の方が高いと感じる社長は、経営分析などやらないでしょう。
これは、経営者の判断としては間違っていません。

必ず、それぞれの経営分析を使う場面を、誰もが理解できるはずです。
簡単で安く手に入る経営分析の結果を無視する理由はないでしょう。

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